歴史としての戦後史学/網野善彦

 

 

 以前歴史家の方が書かれて本で、網野さんのことを“日本史学会が生んだ唯一最大のスター”的な表現で紹介されていて、“○○史観”みたいに歴史家個人の歴史観が取り沙汰されるようになったのは網野先生が最初だったということで、ずっと気になっていたのですが、回顧録的な本があると知ったので手に取ってみました。

 ただ、この本、まさに網野先生の個人的な回顧録と言った感じで、淡々と関わって来られた歴史家の方と、その方々とされてきたことを述べられるのですが、かなり研究家目線というか、細かい内容が多いので、おそらく研究者じゃなければ、個々の研究者の価値もあまりわからないんじゃないかな、ということをワタクシ自身はチンプンカンプンでした。

 まあ、一頃日本史の研究者もいいなぁ、と思ったことのあるワタクシとしては、研究者としての素顔を見れてよかった部分はあるのですが、もうちょっとご自身の事蹟についての言及があってもよかったのに、というのが正直なところです。