明治天皇の世界史/倉山満

 

明治天皇の世界史 六人の皇帝たちの十九世紀 (PHP新書)

明治天皇の世界史 六人の皇帝たちの十九世紀 (PHP新書)

 

 

 以前、『国際法で読み解く世界史の真実 (PHP新書)』を紹介した倉山さんが
明治天皇を中心に19世紀の世界史を語るということで手に取ってみました。

 実は本屋でこの本のタイトルを見て、これは…と思って手に取ってみたら、以前『国際法で読み解く世界史の真実』をこのブログで紹介していたことに気付いたという次第なのですが、そこでの紹介文を見返してみると、かなり国際法に関する解釈がビミョーだったりと、何とも判断の下しにくい本だったのですが、実はこの本も…

 明治天皇と同時代を生きた6人の皇帝たちの生涯を並行してみていくことで、当時の日本の世界での位置づけを探るといった、以前出口さんが「世界史の中の日本史」といったコンセプトでの著書を思い起こさせますが、出口さんの著書ほど内容が整理されているワケではなく、なんとなく並列してみましたといった感じで、結局並列した意義をあまり感じさせないといった単なる羅列に終始してしまっている感じです。

 しかも時折キラリと光る小ネタをチラ見せするので、余計に惜しい感じが拭えません。

 倉山さんの著書ってタイトルは魅力的なんですが、著しく構成力に欠けていて、何というかせっかく着目点はいいのに残念!って感じです。

 何とか腰を据えてこの方を書ける著者に育てようとする編集者の方、いらっしゃいませんかね…