官僚の掟/佐藤優

 

官僚の掟 競争なき「特権階級」の実態 (朝日新書)

官僚の掟 競争なき「特権階級」の実態 (朝日新書)

 

 

 外務官僚だった「知の怪人」佐藤優さんが昨今の官僚の“行状”の背景を語られます。

 “モリ”“カケ”や厚労省の統計不正など官僚のモラルハザードが止まりませんが、昨日の橋下さんの本でも指摘されていましたが、安倍政権は野党の堕落を見て国民をナメきっており、そういう大親分の態度を見ていれば、子分たる官僚たちのモラルが崩壊するのも自明のことだとおっしゃいます。

 さらには高級官僚が官邸に人事権を握られていることもあり、なおのこと官邸しか見ない傾向が顕著となっているようです。

 気になったのは“お気に入り”の経産省官僚を首相補佐官などとして登用し、官僚の上位組織的な役割を担わせているところで、こういった統治機構について安倍政権はナチスドイツの事例を研究したということで、やりたい放題できる体制を整えたとのことです。

 かなり以前から日本は官僚支配の社会だと言われてきましたが、安倍政権による政官のピラミッドが精緻に構成されたことで完成となってしまったようです。