パパ活の社会学/坂爪真吾

 

パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う? (光文社新書)

パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う? (光文社新書)

 

 

 『はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)』など性愛に関する現代的な問題について社会学的なアプローチの著作で知られる坂爪さんが最近取り沙汰されるようになった“パパ活”を追った本です。

 サブタイトルにあるように援助交際愛人バンクなどを思い浮かべがちですし、坂爪さん自身もそういった過去のモノが現代的にカタチを変えて出現したものだと思われていたそうなのですが、当事者の人たちに取材しているうちに、どうもこれは違うということになったみたいです。

 この本のスゴいところは、こういう類の本って得てして女性側のみを取り上げることが多いのですが、利用する男性側やビジネスとして運営する側にも取材をされているところです。

 こういう風俗関係では女性側はカネ、男性側はセックスを求めることに終始しがちなんでしょうが、この“パパ活”ではお互いに何かそれ以上のモノを求めていることが多く、単なるカネとセックスのつながり以外のところにも価値を見出す人が少なからずいることが意外でした。

 だからといって男性側も女性側もおいそれと参加できるモノではなさそう(かかるカネと求められるルックスとかね!?)なのですが、いつもはテーマがテーマなんでディープな語りっぷりになりがちな坂爪さんの著作の中では異例とも言えるミョーに希望に満ちた感じに戸惑いを感じるのはワタクシだけなのでしょうか…