「余命3カ月」のウソ/近藤誠

 

「余命3カ月」のウソ (ベスト新書)

「余命3カ月」のウソ (ベスト新書)

 

 

 昨日に引き続き近藤先生の本です。

 この本は2013年出版ということでかなり現代に近づいていますが、あまりおっしゃることは変わらなくて、『患者よ、がんと闘うな』の頃よりも放射線照射による治療がポピュラーにはなっていますが、状況はあまり変わらないようです。

 確かに医師や製薬会社が、自己の利益のために抗ガン剤を多く使う治療だったり、自身の執刀の機会を増やすといった意図をもってガン治療に臨んでしまうといった姿勢は、確かに歪んだ部分があるというのは確かでしょうし、中村勘三郎さんが死に至った過程を鑑みるにつけ、医療の残酷さやまがまがしさを改めて思い知らされる気がしますが、やっぱり進行性のガンにかかると確実に死に向かうという現実を突き突けられると、近藤先生のおっしゃることに抗って、あり得ない生きていける可能性にすがってしまいたくなると思うのですが、そこにすがろうとするとより短い人生になってしまうかと思うと…

 ワタクシ自身、昨年ごく初期のガンを切除した経験を経て、かつガン患者に囲まれた入院生活を経験した経験を踏まえると考えさせられことが多いのですが、あまりに救いのないところに、何とかならないものかと思わされます。