エンジニアとして日本に在住されているイタリア人の方が、日本に蔓延しているイタリア料理に纏わる“常識”に疑問を呈された本です。
特に、トマトやピッツァやパスタ、オリーブオイルと言った、日本人からすると“ザ・イタリア料理”といったイメージのある食材について、日本で捉えられているような伝統的なイタリア料理の食材とは異なる使われ方をしていることを詳らかにされています。
まあそういうのは日本料理の海外での取られられ方でもありがちなんで、トリビア的な面白さはあるのですが、それよりもイタリア料理の本来の姿が、地域の豊かな文化や食材本来の魅力を十全に引き出そうとする魅力を再確認してもらいたいという著者の熱意を端々に感じさせてくれれる本です。
多少イタリア料理のイメージが変わった部分があるのですが、個人的にはよりイタリア料理の魅力が増したような気にさせてくれる本です。