明日の日本を予測する技術/長谷川幸洋

 

 

 元東京・中日新聞の記者で現在はフリーのジャーナリストとして確約されている方が語る“洞察力”の磨き方です。

 多くのジャーナリストは会社での自分の立場であったり、自身がこうあるべきだと考える理想像だったりに拘泥して、物事をプレーンに見ることができていないのと単純に“勉強”が足りていないことから正確な予測をすることができていないことを指摘されています。

 長谷川さんは2017年の安倍政権による解散やトランプ大統領にまつわる状況について多くの予測を的中させていたことで知られているようですが、その秘訣となるのは「権
力者の絶対法則」に則ったモノの見方をすることだとおっしゃっておられ、その絶対法則というのは権力者にとっての「現実主義」だと指摘されます。

 なぜ安倍政権がモリカケなど数多くの問題を抱えながら高値安定しているかというと、第一次政権において理想主義的な考えの下に行った政策で足下を掬われたことを教訓に第二次政権では徹頭徹尾現実主義に徹しているからだということで、究極の目標としている憲法改正においても、決してムリをすることはなく慎重に慎重に国民が受け入れられるラインを探ろうとしながら勧められているということです。

 それに対して野党はありもしない“理想”を掲げ、それも国民には“絵に描いた餅”だということがバレてしまっており、地に足の着いた安倍政権との差がドンドンと開いてしまってジリ貧になっているということです。

 個人的にはあまり安倍政権にシンパシーを感じないので、ビミョーに不快なところも少なからずあるのですが、不承不承でもナットクせざるを得ない論理にスゴみを感じさせます。