定年夫婦のトリセツ/黒川伊保子

 

定年夫婦のトリセツ (SB新書)

定年夫婦のトリセツ (SB新書)

 

 

 『女の機嫌の直し方 (インターナショナル新書)』『妻のトリセツ (講談社+α新書)』が大いに評判となり、最近はテレビにも登場するようになった脳科学者でありAI研究者でもある黒川さんが定年後の夫婦のあり方について語られます。

 黒川さんご自身も今年でダンナ様が定年を迎えられるということなんですが、かなり達観しているように見える黒川さんでも定年後の時間の長さを考えてボーゼンとしてしまったとおっしゃられています。

 元々夫婦というのは狩猟生活を送っていた頃に男性が周囲の脅威に備え、女性が身の回りのことを整えるというセットで機能することで種の保存に役立ててきた思考のクセを脈々と現代まで受け継がれてきてことでも分かるように、そうカンタンに変えれるものではなく、そういった差異をちゃんと認識して、あきらめて受け入れることが賢明なようです。

 『女の機嫌の直し方』や『妻のトリセツ』でも触れられていましたが、やっぱりちゃんと相手を尊重して相手の思考の背景も踏まえた上で理解しようとする姿勢があれば、大概のことは破滅にまではつながらないはずで、最低限そこのところを守っておくことが、これまでよりずっと長い時間を一緒に過ごすことになる定年後を楽しく過ごす秘訣かも知れません。

 黒川さんはあとがきで、これまでずっと紆余曲折を経ながらも育んできた夫婦関係を、完成形を見ることなく壊してしまうのはモッタイナイ!とおっしゃっています。

 最後に究極の「呪文」を紹介されていますが、それをここで紹介してしまうのは黒川さんに申し訳ない気がするので、手に取って確かめてみて下さい!(笑)