定年まで待つな!/成毛眞

 

 

 マイクロソフト日本法人の元社長として知られ、攻撃的な自己啓発本を何冊も出版されていることでも知られる成毛さんがリタイア後に向けた“攻撃的”な人生設計を推奨される本です。

 人生100年時代だのAIの発展による単純労働の消失だの、日本を代表する大企業のトップが相次いて終身雇用制の放棄を思わせる発言をするだの、最早同じ会社に長年勤め続けるというライフスタイルは最早風前の灯火であり、ポータビリティのあるスキルを身に付けることが推奨されたりします。

 でもこのあたりが成毛さんの真骨頂なんでしょうけど、従来の資格などに頼っても会社に頼るのと何ら変わりはなくて、従来型の枠組が揺らいでいる中で、他の人が目を付けないところに着目し続けることが長く食べていく秘訣だとおっしゃいます。

 今のところだと、例えば地方に目を向けるとか、日本に進出している海外企業…それも新興国の企業に注目するとか…でもそれでも語学をやってからなんてノンキなことを言っているのではなくとりあえず飛び込んでみるとか…

 あとは自分の趣味をどうやったらカネに換えて行けるのかをとことんまで突き詰めてみるというのも印象的です。

 成毛さんの著書は何冊かこのブログでも紹介しているのですが、どうもムカムカした読後感を抱くことが多く、最近は避けがちだったのですが、この本は、正直ビミョーにイラッとする場面もありながらも、それよりもやはりどこか自分にない視点でモノを見ることの重要性を痛感させらた次第でした。