池上さんが平昌五輪を機に朝日新聞の連載で韓国社会の現況を追ったモノをまとめた本です。
“現況”と言いながら“あの”池上さんだけにそうなった経緯を日韓併合にまで遡って丹念に説明されます。
この本では徴用工に対して日本企業の賠償責任を認めた判決が出たところまでをカバーされているのですが、なぜそういうこじれ方をしたのかということについては、韓国初代大統領李承晩が亡命先のアメリカから帰国した際に、あまりに韓国が日本化されてしまっていることに衝撃を受け、徹底的な反日教育を施したという面についてはよく知られていますが、オモシロい見方だと思ったのは、ベトナムなど自力で自立を勝ち取った国は旧宗主国にそれほど恨みつらみを並べ続けないのに対し、韓国は言ってみれば、“与えられた自立”といった側面があり、ねじれた感情が残り続けてしまったということです。
しかも代々の政権が都合の悪い所を国民に隠したために賠償だのなんだのということがくすぶり続け、さらにメンドーなことには後の政権がそういった国民感情を焚きつけるようなことすらすることがあったためだということです。
それにしても、こんな言い方をしては身もフタもないのですが、我々の先祖はメンドーな相手にメンドーなことをしてしまったものです…