0円で生きる/鶴見済

 

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

 

 

 アイルランド人青年が2011年に出版した『ぼくはお金を使わずに生きることにした』を読んだ時に爽やかな衝撃を受けたことを覚えていますが、今なお静かにそういうライ
フスタイルへの支持が続いているようです。

 この本の著者は以前に『脱資本主義宣言』という本を出版されていてこの本はその実践編といった位置づけなんだそうで、現在の日本で具体的に“0円で生きる”ための方法論が紹介されています。

 中には残飯を拾うといったことも含まれているので、ちょっとマネしにくい部分も多々あるのですが「ジモティー」のような不用品をやり取りするサイトを利用して“貰う”ことであったり、貸し借りを通じてモノを“共有”することであったり、行政サービスを利用しつくすことといった、フツーにタダで“使える”手段が数多く紹介されています。

 それも物質主義が行き過ぎたことによりモノが過剰になってしまいムダが多くなり過ぎたことを是正しようという、ある意味ではかなり真っ当な動きであるのと、周囲の人との貸し借りとか、野菜を自分で栽培するといったことは、以前はフツーにやっていたはずのことであり、“0円で生きる”なんていうとちょっとオドロキですが、考えてみれば原点回帰的な動きであり、ある意味自然なハナシなんじゃないかと感じます。

 取り入れられることから取り入れて、あまりに多くなってしまったムダを減らすことは有意義なことだと思えます。