
MLSから学ぶスポーツマネジメント (TOYOKAN BOOKS)
- 作者: 中村武彦,LeadOff Sports Marketing
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2018/12/17
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
長くアメリカのプロサッカーリーグであるMLSの運営に長く携わって来られた方が紹介するMLS流のスポーツマネジメントです。
スポーツマネジメントと言うと、日本ではまだあまり馴染みのないコトバかも知れませんが、最近ではプロ野球でDeNAの経営をテコ入れして再生させたことで知られる池田さんを中心に日本を代表するスポーツ雑誌であるNumberが旗振りをしてスポーツマネジメントに携わる人材を育成しようという動きがあるなど、段々と重要性が認知されつつあるようです。
元々MLSは1994年のアメリカW杯を見据えてアメリカのサッカー振興のために発足したのですが、1970年代にペレやベッケンバウアー、クライフといったトップスターを集めて華々しく運営していたNASL(北米サッカーリーグ)が1985年に倒産したというトラウマがあり、MLSが失敗すると今後2度とアメリカではサッカーは根付かないと言う基金もあり、スターシステムには頼らず、しっかりと協議の魅力を訴求する姿勢が最初にあったようです。
そんな中で他の競技では最先端を行くスポーツマネジメントの粋を集めてMLSの運営に適用していこうとしているのですが、「ピッチの中では敵でも、ピッチの外ではビジネスパートナー」とあるオーナーがおっしゃっているように、リーグ全体で発展していこうという意識が浸透しており、現在の反映の要因の一つとなっているようです。
ヨーロッパのリーグとは異なり選手の獲得の窓口はクラブではなくリーグとなっていることや、スタジアムの建設などあらゆるオペレーションがROI(Return on Investment:投資利益率)を指標として判断していることなど、アメリカらしいなぁ…と思う面が多々ありますが、こういうロジカルなところが、ひょっとしたらサッカー界を席巻することになるんじゃないかと、ちょっとだけ思いました。