常勝投資家が予測する日本の未来/玉川陽介

 

常勝投資家が予測する日本の未来 (光文社新書)

常勝投資家が予測する日本の未来 (光文社新書)

 

 

 スタートアップ企業への投資などをされている投資家の方が予測する日本の近未来です。

 以前草食投資隊の一員でひふみ投信を主宰されているファンドマネージャーである藤野英人さんの『もしドラえもんの「ひみつの道具」が実現したら』を読んで、ファンドマネージャーの途方もない未来図を精緻化させて予測する能力に感嘆したのを思い出させたのですが、玉川さんはファンドマネージャーではないものの、プロの投資家にはそういう能力が必要みたいで、玉川さんの語る近未来の日本はかなり興味深い内容になっています。

 前半で場当たり的な数打ちゃ当たる的な銀行のベンチャー投資をビミョーにディスられていたりするのですが、本来この本で紹介されているような未来像を描けるくらいに様々な事象について自分なりのロードマップが描けるようにならないと投資家として成功するのは覚束ないのかも知れません。

 この本は2025年くらいの日本の姿を予想されているのですが、あまりAIのことに触れられていないのは意外でしたが、よくAI関連の本で紹介される未来像に近いモノを提示されます。

 ただこないだ紹介した冨山さんがおっしゃる“G:グローバル”の方にフォーカスされているのですが、これは玉川さんが今後投資対象として考えられているのはソッチなのかも知れません。

 何にせよ、人手がICTに置き換わる流れは顕著で、それにつれて日本の複雑な制度面もシンプルなモノに収れんされて行くと指摘されているのが印象的で、グローバル化はそういった所にまで及んできているんんだなぁと痛感させられます。