社会をつくる「物語」の力/木村草太、新城カズマ

 

社会をつくる「物語」の力 学者と作家の創造的対話 (光文社新書)

社会をつくる「物語」の力 学者と作家の創造的対話 (光文社新書)

 

 

 憲法学者の木村さんがSF作家の新城さんという異色の組合せでの対談本です。

 法律とSFって対極に位置するモノであるイメージがありますが、この本を読んでいると意外と接点があるんだなということがわかります。

 と言うのも法律を作るときには、その条文が国民の生活のどのような場面でどのような影響が出てくるのかと言うことを厳密に思い浮かべた上で、詳細の条文を設定するということで、法律家にはそういった「物語」力が実は重要な要件になるということです。

 そんな中で近未来のAIがもたらす変化がどういった影響を及ぼして、その影響に対してどんな規制が必要なのかをシミュレーションされていたりと、なかなか興味深いコラボになっています。

 ただボリュームが400ページ近くもあり、木村さんがハマったという新城さんのRPGの話に深く入って行ったりということで、もっとコンパクトになっていればなぁ…とは思いました。