
教育激変-2020年、大学入試と学習指導要領大改革のゆくえ (中公新書ラクレ)
- 作者: 池上彰,佐藤優
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2019/04/06
- メディア: 新書
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池上さんと佐藤さんの対談本ですが、今回のテーマは2020年の学習指導要領改訂に伴う教育への影響です。
最近お二方とも教育関連のトピックへの関心が強いようで、そちらの分野での著書も次々と出版されていますし、大学での指導もされているということで、かなりディープな話を期待したのですが、結論から言うといつものお二方への期待値からすると多少肩透かし感が否めない気がします。
とは言っても、これだけを読めば十分に深い内容で、お二方のこれまでのこの分野での本を何冊か読んでいるから“どこかで見た”感からそういう風に感じてしまうだけということです。
オウム真理教のテロリズム以降、日本の高等教育がもたらす歪みが指摘され続けていますが、高級官僚のモラルハザードや若手議員の暴走など、国の行く末を担うべき人材があらぬ方向へ行ってしまっているということで、その弊害は無視できないモノとなっているようです。
そういう意味で佐藤さんが再三おっしゃっているように大学入試の改革によって、日本の教育全体の構造改革につながるということで、大学にゅしにおける思考力重視の改革のアウトラインが明確になり、パイロット版のテスト内容についてもお二方とも一定の評価をされているようですが、何かお二方のいつもはあまり見られない奥歯にモノの挟まったような感じが気になります。
最後に大学入試センターの理事長を迎えての三者での対談となり、お二方がつるし上げをするのか!?と秘かに期待したりもするのですが、あくまでもオトナなお二方ということで、思ったよりも無難な内容で終始しています。
まあ、ワタクシが勝手にハードルを上げすぎちゃいましたかね…