結婚不要社会/山田昌弘

 

結婚不要社会 (朝日新書)

結婚不要社会 (朝日新書)

 

 

 「婚活」というコトバの生みの親である社会学者の山田センセイが結婚が不要とも言える状況になってきている昨今の状況を紹介されます。

 結婚制度自体、ずいぶん昔からあるはずなのですが、今のような姿になったのは欧米でも100年程度、日本に至っては戦後の60,70年しか経っていないということです。

 それも“家”が営む自営業が産業の中心を担っていた状況から、勤め人が大半を占めて“個人”としての色合いが強くなった社会に移行してからとも言えるようです。

 ただ元々結婚制度自体、安定した給与を得られる勤め人に嫁ぐということが女性にとって「生まれ変わり」の機能を果たしていたものが、最早ヨメを専業主婦にして養える男性の割合がかなり限られたモノになったことから、経済的な動機での結婚の価値が女性から見ると著しく下がったといえそうです。

 しかも一緒に暮らすという意味では、事実婚への偏見が少なくなってきたことから、婚姻制度の煩わしさを受け入れてまでメンドーなことをする価値はあまりないと判断され始めているようです。

 そういった状況が少子化にかなり重大な影響を与えているということもあり、国も放置できないんでしょうが、どっちかというと結婚制度を維持しようとするよりも、事実婚状態でも子供を持ちやすくする制度の導入の方が効果があるのかも知れませんね!?