皇室はなぜ世界で尊敬されるのか/西川恵

 

皇室はなぜ世界で尊敬されるのか (新潮新書)

皇室はなぜ世界で尊敬されるのか (新潮新書)

 

 

 日本の皇室に関する本なのですが、主に諸外国の王室との外交を通じた皇室の貢献について紹介された本です。

 日本の皇室というのは世界でも有数の歴史を誇っているということもあり、日本国民からしても意外と感じるほど諸外国での評価が高いということで、その声望が少なからず日本の外交の資産となっているとのことです。

 特に中東アラブ諸国で、読んでいてビックリする位の経緯が寄せられていることが紹介されていて、訪問要請も頻繁に寄せられているということです。

 ただ、現行憲法下では皇室が政治的な行動をすることが厳しく制限されているということから、宮内庁と外務省との間ではかなり際どい調整が行われていることが、いくつか紹介されています。

 特に東京オリンピック招致において、三笠宮妃久子様の貢献が際立ったいましたが、建前として皇室は直接オリンピック招致に積極的に行うわけに行かないということで、あくまでも震災の際の諸外国からの私怨のお礼をあの場で行ったという位置付けなのですが、諸外国では久子様のスピーチが承知の決め手となったという評価が少なくないようです。

 昨今、皇室の構成員の現象が取り沙汰されていますが、何とかこういう伝統を受け継ぐべく、早急な対策をお願いしたいところです。