戦国武将に学ぶ「必勝マネー術」/橋場日月

 

戦国武将に学ぶ「必勝マネー術」 (講談社+α新書)

戦国武将に学ぶ「必勝マネー術」 (講談社+α新書)

 

 

 東海道新幹線のエキスプレス予約のグリーン特典でタマーに乗るグリーン車に置いてあるビジネス誌Wedge』の連載で、ワタクシも楽しみに見ていたモノが1冊の書籍にまとめられたので手に取ってみました。

 戦国武将というとどうしても戦いのことが中心に取り上げられてしまうのですが、戦国時代も終わりに近づくにつれて戦いそのものよりも領土の経営の方が生き残りへの重要な要素となっていき、その中でも最も重要な要素の一つとして、おカネのマネジメントがあるということで、まあ言われてみれば当たり前の話なのですが、あまり歴史教育の中では取り上げられることのない部分ではあります。

 特に戦をするには膨大なおカネがかかり、戦闘に参加する兵士の手当てや食費に始まって、城も強固にしなくてはいけない等々、いくらおカネがあっても足りないという状況に陥りがちで、如何にして資金源を確保できるかが生き残りのカギとも言える状況だったようです。

 割とマジメなイメージで捉えられがちな明智光秀がかなりおカネに汚いタイプだったとか、絢爛豪華なイメージの加賀百万石の祖である前田利家が家臣もロクに雇おうとしないほどのケチだったとかといった意外なエピソードもオモシロいのですが、やはり如何にしておカネを調達して、どうウマく使うかというところが興味深いところです。

 そんな中でやはり秀吉のおカネの回し方は秀逸で、戦に先だって、周辺のコメを買い占めて、短期間にロクに戦闘をせずに兵糧攻めで城を落としたというエピソードの巧妙さが印象的でした。

 戦国武将って、生き残った人は有能な経営者でもあったんですね!?