日本の分断 切り離される非大卒若者(レッグス)たち (光文社新書)
- 作者: 吉川徹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2018/04/17
- メディア: 新書
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日本の現役世代を壮年/若年、男/女、大卒/非大卒の組合せで8つのセグメントに分けて、それぞれのセグメントにおける、年収や婚姻の状況、嗜好などさまざまな面で比較分析した内容をまとめた本です。
そんな中で、若年非大卒男性の恵まれなさが際立っているということなのですが、現在では日本の半数が大学を卒業する中で、以前なら非大卒でもそこそこの職に就くことができたところを、現在ではかなり就ける職が限られるということと、シングルマザーなど社会問題として取り上げられることも多く、セーフティネットの整備の必要性も認識されている若年非大卒女性と比較して、支援が得られるどころか「自己責任論」なんていって、恵まれないのに責められるという可哀そうな立場だということです。
それだけでなく、他のセグメントと比べて、酒やタバコの消費量が多いことから、これらにかかる税金をセッセと納めて他の世代を支援しているというパラドックスまであるようです。
特に“就職超氷河期”という自己責任というにはあまりに気の毒な時期に差し掛かった人も少なくなくて、ようやく最近、そういった世代への支援が検討され始めたのは、せめてもの救いかも知れません。
今後、日本社会が継続するために、こういったセグメント間が積極的に交流して相互理解を深め、相互扶助をして行く必要がありそうです。