ラーメンの誕生/岡田哲

 

ラーメンの誕生 (ちくま学芸文庫)

ラーメンの誕生 (ちくま学芸文庫)

 

  食文化の研究者の方が紹介されるラーメン反映の歴史です。 食文化の研究者の方が紹介されるラーメン反映の歴史です。


 ひとつ、謎として提起されているのが、現在これだけの人気を誇るラーメンなのですが、長い中国との交流の中で、とっくの昔に中国の麺類を知っている日本人がいたはずなのに、ラーメンの人気が第二次世界大戦後まで広まらなかったのは何故なんだろう、ということです。


 答えとしては、伝統的な日本の食文化における


  ・肉食の忌避

  ・油料理の忌避

  ・かん水の入手の困難


といったところにあるようで、肉食が“解禁”された明治維新から徐々に広がってはいっていたのですが、やはり戦後にインスタントラーメンの発明が果たした役割が、ラーメンの普及においては相当大きな役割を果たしているということだそうです。


 ただ、ラーメンのルーツが中国の麺料理であることは疑いの無いところなのですが、中国に行って現地で麺料理を食べた経験がある人にはわかっていただけると思うのですが、現時点で日本のラーメンと“本場”中国の麺料理には大きな差がありますが、日本のラーメンの進化に、そばやうどんの食べ方が与えた影響の大きさが伺えます。


 ワタクシ自身、あちこち食べ歩きをする程のラーメン好きなのですが、こういった食文化的にラーメンを辿るのもなかなかの体験でした。