性依存症のリアル/榎本稔

 

性依存症のリアル

性依存症のリアル

 

 

 性依存症の治療を手掛けておられる精神科医の方が、ご自身が診られた患者さんの診察を通して性依存症の実像を紹介された本です。

 以前、タイガー・ウッズライアン・ギグスといったトップアスリートが性依存症であることを告白して話題になりましたが、性依存症の症状自体は薬物やアルコール、ギャンブルといった他の依存症と、キッカケや症状はよく似ているのですが、性依存症については被害者がいるケースが少なくないのが深刻な問題です。

 強姦や痴漢など明らかに犯罪であり、捕まってしまうのがわかっていてもやめられない、何度も再犯を繰り返し、収監されて、何もかもを失っても、またやってしまうこともあり、かなり深刻な疾患につながることも少なくないにも関わらず、それを治療しようという発想が多くの人に欠けていることが、また問題を深くしていっているようです。

 特に自らの“性”という、ただでさえ包み隠さず話題にすることが少ないトピックで、自分の内面でどんどん広がって行ってしまうことの恐ろしさをまざまざと感じさせられます。

 おそらく犯罪にまでは至っていない人でも、このままじゃマズい…という性癖を自覚している人も居られるかもしれませんが、そういった方はこの本で紹介されているようなクリニックでの受診を真剣に考えて見られては如何でしょうか!?