「家族の幸せ」の経済学/山口慎太郎

 

 

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)
 

 

 結婚・出産・子育てなどを経済学的な手法で研究する「家族の経済学」を専門とされる方が「家族の幸せ」を経済学的に分析したモノを紹介された本です。

 「家族の幸せ」の中でも。特にご専門である結婚・出産・子育てを中心に語られているのですが、よく言われる「母乳で育てた方がいい」だとか「3歳までは母親が育てた方がいい」などといった俗説についても経済学や統計学的な手法を駆使してその当否を説明されています。(実際にどうなのかは、ネタバレになるのでここでは紹介しません…是非、手に取って確かめてみて下さい!)

 さらには低体重で生まれた子供のその後や、帝王切開が子どもに及ぼす影響、お父さんの産休やイクメンパパが及ぼす影響など、経済的な側面のみならず、フツーでは数字に表れにくい「幸せ」への貢献度を紹介されます。

 ただ、こういう分野って日本ではまだまだサンプル収集すら進んでいないことが多いということで、アメリカや北欧諸国といった当該分野の先進国の事例を多く紹介
されていて、日本とそれらの諸国との“格差”にも触れられています。

 以前に比べると日本でもそういう取組は進んでは来ているようですが、こういった「家族の幸せ」の“見える化”を推進することが、“「働き方改革”や“一億総活躍”につながるんじゃないですかね!?