会社に使われる人 会社を使う人/楠木新

 

会社に使われる人 会社を使う人 (角川新書)

会社に使われる人 会社を使う人 (角川新書)

 

 

 『人事部は見ている』でブレイクした楠木さんは『定年後』の出版以降、リタイア後のライフスタイルの語り手として認知されていますが、この本もそういった趣旨の1冊です。

 リタイア後の人たち(主に男性)が、拠り所を無くして途方に暮れるということがよく言われますが、それは多くの会社勤めの人が会社にぶら下がっているからだということで、ドップリ会社に浸かりきった人生を送ってきて、突然会社という場を失ったら、アイデンティティクライシスが起きても全く不思議ではありません。

 例え、定年延長で嘱託みたいな働き方をしてもそういう事態が起こるようで、それもこれも会社に依存し過ぎの状況から起こるということですが、会社員としての職務も着実にこなしながらも、“もう一人の自分”を持っておくことが、リタイア後に充実した生活を送るためのキモになるということです。

 楠木さん自身、生命保険会社に勤務中から作家としての顔をお持ちだったということで、その“もう一人の自分”がリタイア後の“顔”となり充実した生活を送れてきているよう
です。

 そういった“もう一人の自分”を持つための心得というか、7つのパターンなんかも紹介されていて、どれかに何か自分も“もう一人の自分”を持てるんじゃないかという気がしますが、ワタクシも50歳を超えて、真剣に取り組んで行かないといけない状況です。