こうして歴史問題は捏造される/有馬哲夫

 

こうして歴史問題は捏造される (新潮新書)

こうして歴史問題は捏造される (新潮新書)

  • 作者:有馬 哲夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/09/14
  • メディア: 新書
 

 

 結構多くの歴史関連の著書がある方が「歴史修正主義」的な考え方を紹介されます。

 大きくテーマになっているのが「慰安婦問題」「南京大虐殺」「真珠湾攻撃」に関してなんですが、割と日本寄りの論評を繰り広げられるので、かなり右寄りの方なのかな、と思いながら読んでいたのですが、元々この方公文書の研究が専門の方で、プレーンな立ち位置であるはずの公文書をベースに歴史を紐解いていくという手法を得意とされているということで、ご自身はプロパガンダイデオロギーには一切依拠しないとおっしゃいます。

 でも結果的に丁寧にプレーンな情報を読み解いていくと「慰安婦」の国家主導での強制連行はあったとは言えないし、南京で30万人もの虐殺があったはずがないとかといったことが導けるはずで、歴史はそういう風に反証できるものでないといけないとおっしゃいます。

 でも韓国にしても、中国にしても、日本人にしても自分が見たいように歴史を見るのはある意味仕方がない部分があるのですが、感情的に流されてしまうと歴史が歪んだものになってしまうということで、未だにホントにホント!?と思うところがなくはないのですが、こういう風にプレーンに信頼できる資料を丹念に読み解く史観というのが重要なのかも知れません。