やってはいけない不動産投資/藤田知也

 

やってはいけない不動産投資 (朝日新書)

やってはいけない不動産投資 (朝日新書)

 

 

 スルガ銀行の不正融資を追われていた朝日新聞の金融を専門とされた記者の方が語る不動産投資の“リスク”です。

 ワタクシも数年前は色んな不動産投資に関する本を読んで、不動産投資の可能性を窺ってはいたのですが、実行することなく現在に至っています。

 数年前の不動産投資ブームから現在ではかなり状況が変わってしまっているということなのですが、単に世帯数の現象だけではなく、この本でも多く取り上げられているスルガ銀行による不正融資が引き起こした“不動産投資バブル”が尾を引いているという側面もあるようです。

 ワタクシが不動産投資を目論んでいた頃には、結構銀行融資を引き出すための困難を説かれていたノウハウ本が多くあったのですが、スルガ銀行のケースでは銀行自ら“偽装”を主導したとも伺えるケースもあり、さらに不動産ブローカーは銀行に提出する投資家の預金通帳の偽造や、物件価格の偽装など、投資を促すための限りなく詐欺に近い手法や、投資家との家賃収入保証の反故など、オレオレ詐欺と何ら変わりのない実態が紹介されます。

 それなのにそういった行為を“摘発”されても、告発どころか営業停止処分を受けることも無いようで、不動産投資は“詐欺”まがいの行為の温床となってしまっているようです。

 最終章で「それでも不動産投資をしたい人に」ということでご自身の投資体験も交えて紹介されていますが、とてもシロウトが手を出すシロモノではなくなってしまったようです…