プロサッカー選手をめざす子どもの親が知っておくべきこと/西部謙司

 

プロサッカー選手をめざす子どもの親が知っておくべきこと

プロサッカー選手をめざす子どもの親が知っておくべきこと

 

 

 サッカーの戦術についての深い造詣で知られる西部さんが語られるサッカー選手になりたい子を持つ親の心得についての本です。

 最近では若くしてヨーロッパのトップクラブに移籍していく選手も出てくるようになったり、国内でもJ1からJ3まで合わせると54ものクラブが存在するなど、以前と比べると一見プロサッカー選手になることのハードルが下がっているようにも見えますが、それでもある程度の活躍を継続して一般的なサラリーマンの平均生涯年収と言われる2億円余りの収入を現役時代に稼ぐことができる選手はごく一握りだという事実を冒頭で指摘しておられて、それでも子どもの希望のサポートをしてあげられるのか!?という覚悟を迫られています。

 また、大学生になってから頭角を現して世界有数のトップラブであるインテルのレギュラーにまで上り詰めた長友選手など、数少ない例外はあるもの、基本的には中学生に上がる時点でプロになれるかどうかは一旦概ね決まってしまうということで、そこまでにそれなりの活躍をしないと、その後プロになる可能性は大幅に下がってしまうということです。

 そういった高いハードルを考えた上で、各ポジションに求められる資質を詳細に紹介されて、自分の子どもがどのポジションを目指すと可能性が高まるのかということや、日本代表や各国のトッププレイヤーが育ってきた事例をケーススタディとして紹介されていたりします。

 子どもが真剣にそういう方向を目指しているのであれば、何とか支援をしてあげたいのは山々なんですが、子どもの将来を冷静に考えるとそればかりでいいんだろうかと思ってしまうのもまた事実で、ある程度ソッチの才能を発揮しているように見える子どもの親はかなり悩ましいところですねぇ…