英語でニッポン案内ハンドブック/島崎秀定

 

 

 昨日に引き続き通訳ガイド関連本です。

 昨日の本が通訳ガイドの仕事の概要といった感じの内容だったのですが、この本は実際に海外から来られたお客様をご案内する具体的なケースを紹介されていて、かなり実践的な内容になっています。

 都内を中心とした範囲で、新人もしくは見習い中のガイドが谷根千中野ブロードウェイ、高尾山などビミョーにシブめの訪問先の案内の様子を紹介されています。

 そんな中で、案内される方がどういう準備をして、どういう説明をして、どういう質問やリアクションを受けてといった、リアルな案内の状況を紹介されているのですが、そんな中で案内される側がどういったことを望んでいて、どういったところに疑問を抱かれるのかといったことについて触れられていて、これからガイドをして行こうとしているワタクシにとってはかなり有用な情報が溢れています。

 特に、日本に来られる観光客の方がどういったことに関心を寄せられがちなのかという情報は有用で、ついつい我々は訪問する名所に関する情報ばかりにフォーカスしがちなのですが、例えば神社に参拝される際に、どういった作法でお参りをするのか、手水の使い方や、鳥居の真ん中を通ってはいけないとか、参拝の際のプロセスなんかをちゃんと紹介できないといけないといったことは盲点だったりします。

 またどういったギモンを抱かれがちなのかということについて、現場でいきなり聞かれると固まってしまいそうなモノもあって、そういった傾向を知ることができるのは助かります。

 結構、通訳ガイドとしてのヤル気を掻き立ててくれる良い本でした。