犯罪などのジャンルに強いジャーナリストである方が、犯罪を犯す人の「頭の中」について語られた本です。
丸山さんはこれまでに数多くの犯罪者特に殺人犯に取材をされて来たということですが、そんな中で特に殺人の動機と言うのはある程度類型化される部分があるということです。
ただいわゆる学術的な分類をしようというワケではなさそうで、これまで見てこられた中で特徴的なモノを紹介されています。
殺人を犯すというのは、大多数の人にとってはかなりハードルが高いモノで、余程のことが無ければ実際に人を殺すというところまでは辿り着かないのですが、海外においては割とカンタンにそのハードルを越えてしまうケースがあるようです。
例えば、おカネのために殺人を請け負うということは貧困層が多い国ではよくあることのようで、子供を飢えさせるくらいなら殺人くらい…というのは、それ程特殊な考え方ではない国もあるようです。
一番驚きだったのが、警察が取調がメンドくさいということで被疑者を“合法的”に殺してしまうことがあるということで、なかなか日本では発想しにくいところです。
そういったダークな世界を描かれてはいるのですが、トーンに暗さはあまり感じられないし、だからといって突き放した感じでもなく、ごく自然なスタンスで語られているので、かなり楽しんで読むことができました。