ホームレス中学生/田村裕

 

ホームレス中学生

ホームレス中学生

  • 作者:麒麟・田村裕
  • 発売日: 2007/08/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2007年のベストセラーとなった、お笑いコンビ麒麟の田村さんの著書ですが、次女が読んでたのを見て手に取ってみました。

 

 実話らしいのですが、1990年代前半に起こったとは思えない壮絶なモノで、当時中学生だった田村さんが、実のお父さんから一家離散を宣言されて、短期間ではあったようなのですが、中学生であったにも関わらず、独力で講演で生活されていた経験をベースにした自伝です。

 

 ちょっと聞いただけでも壮絶な体験ですが、ご本人のキャラ故なのか、起こったことは起こったこととしてプレーンに描かれていて、実の父親に保護を放棄されて、兄や姉からの支援も一旦断って独力で生活しようとすることそれ自体は相当壮絶な体験なのですが、本人の人徳なんでしょうけど、その都度、冷静に考えるとかなり常軌を逸したレベルの支援を得られることができて、結局麒麟として相方の川島さんとデビューされるまでを紹介されています。

 

 1990年代前半に、こういった経験をされるということ自体も信じられない体験ではあるんですが、このご時世にそういった境遇の中学生を引き取って世話をしようとする友人の親御さんや、自分がガマンしてでも弟に思ったように過ごしてほしいと支援するお兄さんとか、まだまだ日本人の利他の精神もあるところにはあるんだなぁ、とちょっとホロッとさせられます。

 

 いざという時に、この本に出てくる人たちのようなことができるんだろうかと思うのですが、そこまではできないとしても何らかの支援ができるような人でありたいとは思いますが…