名もなき挑戦/パク・チソン

 

 

 現時点ではアジア人で唯一のヨーロッパチャンピオンリーグ優勝経験者である元韓国代表パク・チソン選手の自伝です。

 

 パク選手の自伝はもう一冊あって、2007年に出版された『信じるチカラ』はマンチェスターユナイテッドに移籍して1、2年で出版されたこともあって、それまでのキャリアを振り返った感じですが、この本では当時世界でもトップレベルにあったマンチェスターユナイテッドでの日々を中心に描かれています。

 

 パク選手というと、ゴールを量産するとかと言った分かり易い結果を残すワケではないのですが、無尽蔵のスタミナで人一倍の運動量で走り回り、献身的に他の選手のサポートをするということで、当時チームメイトであったクリスチアーノ・ロナウド選手やルーニー選手からの信頼も厚かったようです。

 

 そういうプレースタイルに至ったのは、サッカーを始めた当初からあまり身体的にも恵まれておらず、とにかく懸命に周囲のサポートのために走り回るプレースタイルを突き詰めていった結果、世界最高峰の舞台でも通用するまでになったということです。

 

 特にマンチェスターユナイテッドは、強豪チームの中でも献身的なプレースタイルを高く評価される傾向が強く、パク選手のプレースタイルと親和性が高かったことから成功に結び付いた側面があると言えそうです。

 

 世界的な選手となっても謙虚な人柄で知られるパク選手らしいプレースタイルではあるのですが、韓国代表ではマンチェスターユナイテッドでの役割と異なり、主将として立場もあって、決定的な役割を求められることもあったのですが、そこでは決然とプレーでチームを引っ張り、2010年南アW杯では韓国代表を決勝トーナメントに導く活躍をされました。

 

 その後も韓国からは世界的なプレイヤーが何人か出現していますが、やはりワタクシにとっては、Jリーグで育ったからというだけではなく、その献身的なプレースタイルや謙虚なキャラも含めてパク・チソンを推したくなるんですよね…