かなり気になる日本語/厚切りジェイソン

 

かなり気になる日本語 (SB新書)

かなり気になる日本語 (SB新書)

 

 

 外国人から見て不思議な日本語を取り上げて、"Why, Japanese people!?"とやるギャグで知られるアメリカ出身でIT企業の経営をしながらコメディアンとしても活躍されている厚切りジェイソンさんの著書で、1冊まるごとネタで満載の本です。

 

 特に日本語は中国人と日本人(とごく一部の韓国人)以外には馴染みのない漢字という特殊な文字を使っていたりとか、はっきりと言わないにも関わらずこういうことが言いたいという言外にたくさんの意味を込めるということもあって、外国出身の方からすると、深いコミュニケーションが難しい人たちであることが多いと思います。

 

 そういうところを面白おかしく語るのがジェイソンさんの芸なワケですが、この本では、テレビで見られるジェイソンさんほど激しいワケではなく、ある程度淡々と、外国人から見て、理解するのに努力が必要な日本語を中心に紹介されています。

 

 ごく日常的なところで言うと、日本語で言う「お疲れさまです」というフレーズは英語でピッタリくる訳語を当てはめるのが難しいモノなのですが、この本では"Why, Japanese people!?"と叫ぶワケではなく、日本における経験から捉えたジェイソンさんなりの理解を紹介されています。

 

 まあ、外国語と言うのは多かれ少なかれそういった側面はあるもんだとは思うのですが、何もかも説明を求められかねない極端な低コンテキストであるアメリカ社会から来たジェイソンさんが、特に言外の意味の多い高コンテキストと言われる日本語を理解しようとするのはかなり大変な部分はあったはずで、いくら日本語に堪能な方であっても、外国出身の方と話す時には、デキる限り言外の意味を排除したような話し方をするよう努力しないといけないんじゃないかな!?と感じました。