「ニッポン社会」入門/コリン・ジョイス

 

 

 英国のデイリーテレグラフ紙の東京特派員の方が紹介される”ニッポンあるある”です。

 

 デイリーテレグラフの特派員といっても本国から派遣されたというワケではなさそうで、元々日本在住で英語を教えたり、Newsweek誌に勤務されたりしていたようですが、日本でのデイリーテレグラフ紙の募集に応じて採用されたとのことです。

 

 この本を書かれたのが2006年で、その時点で来日から10数年経っていたということで、英国から来日した友人に、すでに日本化してしまった部分を指摘されることも多かったようなのですが、そういったところも含めての英国人から見た”ここがヘンだよ日本人”ということのようです。

 

 冒頭で日本人のプールでの振る舞いを紹介されているのですが、日本ではスキンヘッドであってもスイムキャップを被らないと入れてもらえないとか、来たばかりなのに決まった時間に休憩を強要されるとか、レーンごとに水中ウォーキングや子供用、上級者用などに細かく分けられていて、粛々とそれに従っていることを紹介されています。

 

 ただこの時点で、少なくとも自身が日本に旅行して目的としている部分については、すでに英国人はかなり詳細の知識を持ち合わせていたようで、そういう時はコリンさんは、ミョーにマニアックなトピックを振ろうとされたりするところが笑えます。

 

 あと、笑えたのが、日本人が英国人に対して、日本人と英国人は似ているという人が多いという所なのですが、「日本人は英国人同様礼儀正しい」という部分について、全力で、細かい実例を交えて延々と反論しているところで、そこまで言わなくても…と思いつつも爆笑させていただきました。

 

 個人的には、通訳案内士に合格して実際にインバウンドのお客様を案内(当面は、色んな意味で、まだまだ実現は先になりそうですが…)するにあたって、少なくとも英国人に関して、日本に対してそういう部分に疑問をさしはさみがちなんだという所が非常に参考になりました(笑)