ビブリオバトル/谷口忠大

 

 

 創始者自らが書かれたビブリオバトルの紹介本です。

 

 この本が出版されたのが2013年ということで、ビブリオバトルが始まってから10年足らずの間に大きく広まっているようで、かなり大規模なモノも含めて、今や全国で開催されているということです。

 

 ビブリオバトル自体、気軽に自由に取り組んでよいということですが、一応公式ルールということで、

 

 1. 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。

 2. 順番に一人5分間で本を紹介する。

 3. それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを

  2~3分行う。

 4. 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準と

  した投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』

  とする。

 

と定められています。

 

 ビブリオバトルを始められたキッカケの一つとして、元々読むべき本ということで、学校だったり、新聞の書評だったりという、ある意味「権威」的なモノがススメるモノを読んでおけばよいというところがあったのですが、興味やニーズが多様化して、そういう「権威」に盲目的に追従していては、ホントに自分に役に立つモノに出会わないことになってしまうのですが、ビブリオバトルだと、ホントにその本の価値を評価している人が、その想いを語り、その話にナットクした上で本を手に取るということで、アタリ本で出合う可能性が格段に高まり、ひいては読書の振興につながるということがあったようです。

 

 ビブリオバトルの意義として「人を通して本を知る。本を通して人を知る。」ということをおっしゃられていますが、より自分の好みに合った本に出合えるという側面の裏側として、その本への”想い”を通して、その人を一段深いレベルで理解できるということで、職場などのコミュニティにおける相互理解の促進にもつながっているようです。

 

 自分の好きな本の魅力をアピールするということで、プレゼンのトレーニングとしても使えますし、出版不況と言われる中での数少ない”希望”としてビブリオバトルの発展に期待したいところです。