電子書籍の衝撃/佐々木俊尚

 

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

 

 

 この本は2010年に出版された本なのですが、電子書籍の登場が及ぼす出版業界や本を読む人たちへのインパクトを紹介された本です。

 

 この本が出版された頃はKindleが発売されて、電子書籍が徐々に広がり始めた時期ではあるものの、メリットを感じつつもなかなか爆発的な普及にはつながらないといった状況だったようで、10年経った現時点においても、ワタクシなどは未だに紙媒体にしがみついているワケですが、少なくとも日本においては、なかなか普及が進まない状況にはあるようです。

 

 ただ、音楽がレコードからCD、配信への進んで行った状況になぞらえて、電子書籍に進んで行くであろう展望を紹介されているのですが、音楽メディアの電子化においてiTuneが果たしたようなプラットフォームの整備というものが、2010年時点で激しいつばぜり合いが繰り広げられていた様子を紹介されていますが、有力なプラットフォームの整備に伴い、急速に電子書籍の普及が進展していくことを伺わせます。

 

 この本の後半で日本の出版業界のもたれ合いと言うか、ヌルい状況を痛烈に批判されていますが、電子書籍の進展によりそういった甘えが払しょくされることに期待されており、より読者ニーズに合った本がタイムリーに届けられることを予言されています。

 

 未だに、紙にしがみついているワタクシでありますが、より快適な環境が整備され、コロナ禍のような状況になっても、本の入手が滞らないようになればいいなと…(笑)