東京ディズニーリゾートを運営されているオリエンタルランドで人材トレーナーを務められていた方が人材育成のノウハウについて紹介された本です。
櫻井さんによると、ディズニーにおける人材育成についても、業種・業態の特殊性はあるにせよ、育成自体に特殊なことをされているワケではなく、その方法論というのは実は結構ベーシックなモノであり、自社の業種・業態に特有な部分への適用の工夫を除けば、かなりの部分で利用できるとおっしゃられていて、実際に櫻井さん自身が外部企業の人材開発のサポートに携わられて、多くの成功例をお持ちだということです。
人材育成をする上で、一番重要なのは企業理念が明確であり、その実現のために社員に要求される行動基準がシンプルで明確なモノであることだということです。
オリエンタルランドの場合、「ゲストにハピネスを提供する」という経営理念の元、「安全(Safety)」「礼儀(Courtesy)」「ショー(Show)」「効率(Efficiency)」で構成される「SCSE」という行動基準があるだけであり、すべてをそれに照らして考えるクセを徹底し続けることで、社員としての役割が果たせるということです。
そういう社員全員が共感できるような経営理念と、それを具現化するための明確な行動基準がキッチリと整備されていれば、社内のあらゆる階層において自分の行動に迷うことが少なくなり、一丸となって同じ方向性に迎えるという意味で、人材育成もスムーズに行くことになるのだと思われます。
まあ、それが難しいんじゃないか!?とおっしゃられる向きもあるでしょうが、そういう企業に限って、お題目のような社員の誰も知らない経営理念がカタチばかりあるだけになっていませんか?
そもそも事業がそれなりに成り立っているということは、元々社会における何かの役割を果たしているワケで、そういう社会貢献のあり方を振り返るだけでも社員の目の輝きが変わってくるのかも知れませんね!?