税務署員だけのヒミツの節税術/大村大次郎

 

 

 元国税調査官でありながら『あらゆる領収書は経費で落とせる』の出版で節税術の指南をするという大胆な転身を遂げられた大村さんの著書で、この本は出世作である『あらゆる領収書は経費で落とせる』の続編だということです。

 

 『あらゆる領収書は経費で落とせる』は読みモノとしてオモシロくなるようにということもあって、キャバクラの代金や愛人を囲う費用など、こんなモノまで経費で落とせるのか!?という極端な事例を多く取り上げられていましたが、この本は実際に税務署員もやっている手法など、実用的な節税術を中心に紹介された本です。

 

 この本が出版された2012年以降、大村さんも多くの著書を出版されたり、二匹目のドジョウ的な著者もいっぱい出てきたので、この本で紹介されている手法もかなり知られるようにはなってきているのですが、とにかく日本のサラリーマンは会社に納税を任せっぱなしで、あまりにも納税のことを知らなさすぎるということを嘆かれており、会社での納税は社員がトクになるような納税の処理は全くと言っていいほどやっていなくて、節税をしようと思ったら自分でいろいろと調べて確定申告をメンドくさがらずにやらないといけないということを強調されています。

 

 また税務相談で指導通りに申告書を作ろうとする人が少なからずいるということですが、税務署員は基本的に如何に税金を多く取るかということが志向のベースにあり、そんな人に教わった通りに申告すれば、最大限税金を払うことは間違いないと、言われてみれば当たり前のことを改めて強調されています。

 

 タイトルの印象からすると随分マトモな内容なんで、ここに書かれていることのちょっとしたことから取り組んで行ってみるべきじゃんじゃないかと思います。