このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法/北野唯我

 

 

 引き続き『精神科医が教えるストレスフリー超大全』で紹介された参考図書で「どうしても仕事を辞めたいときの対処法」というセクションで紹介されているモノを手に取ってみました。

 

 ストーリー仕立てで転職において考えるべき論点を追ったという、自己啓発本にありがちな形式の本なのですが、かなり”今までなかった”トピックが扱われているので、ホントにちょっとでも転職がアタマをかすめた人は、結果としてどうするかは別として一読した方がいいかも知れません。

 

 というのも、あとがきで「すべての働く人が「いつでも転職できる」という交渉のカードを持てば、結果、今の職場も絶対によくなると確信しているから。」とおっしゃっておられます。

 

 で、この本の何が”今までなかった”のかというと、かなり”市場”を意識したモノになっていることと言えるかもしれません。

 

 自分のキャリアの棚卸なんて、どこの転職指南でも書かれていると思うのですが、求人側がどのような目で見ているかという観点での棚卸の手法を紹介されているところが有用なところでしょう。

 

 そういう棚卸をした上で、どういうところをターゲットにすべきかということも紹介されているのですが、「業界の生産性」という概念が紹介されているところが、かなり斬新に感じました。

 

 同じような作業をしていても、その業界が如何に稼げるかというところで、かなりサラリーが変わってくるというのはアタマに置いておいた方がいいところかもしれません。

 

 また、最近は転職エージェントを使うことが多いと思いますが、”使える”転職エージェントを見分ける方法を紹介されているところもスルドい!と感じさせます。

 

 あとは、何よりも自分と転職しようと思う企業の「想い」のすり合わせを行うような「質問」を重視しておられて、そういう姿勢で転職に臨めば、「こんなはずじゃなかった…」と思わなくて済むだろうなぁ…と思います。

 

 ワタクシ自身も転職経験者なんですが、その前にこの本を読んでいたら…とちょっと思ってしまう本でした。