以前、樹木希林さんが亡くなられた後に出版されて話題をまいたエッセイ集の『一切なりゆき』を紹介しましたが、こちらは生前最後のインタビューをまとめた本だということです。
この本では、女優としてのキャリアを振り返る様な内容となっていて、ほぼ偶然女優になられたところから、TVのドタバタドラマの出演からキャリアを始められ、日本を代表する名優となられるまでを振り返られています。
日本を代表する名優でありながら、本人曰くあまり役柄などへのこだわりを見せなかったということなのですが、それは琵琶奏者であったお父様や、キャリアの初期に共演された森繁久彌さんの、客観的な視点に影響されるところが多かったようで、インタビュー後半に、インタビューアーから、自身にあまり興味が無いのではないかというところに深く同意されているように、ご自身すらも客観視されていたところがあり、そういう視点が樹木希林さんを名優たらしめたという側面が多分にあるようです。
そういう姿勢が故に、周囲からすると人生を軽やかに渡っていったように映ったんじゃないかというところもあり、そういうこだわりの無さが多くの人の共感につながったんだろうなあ、と思わされます。