ブレインメンタル大全/樺沢紫苑

 

ブレイン メンタル 強化大全

ブレイン メンタル 強化大全

 

 

 『~大全』シリーズでベストセラーを連発してきた精神科医の樺沢センセイが、『大全』シリーズの集大成ということで、すべての活動の原点としての心身のコンディションを万全にする手法を紹介されます。

 

 このブログでも『アウトプット大全』と『精神科医が教えるストレスフリー超大全』を紹介しましたが、特に後者では豊富な推薦図書もあって、かなり参考にさせていただきました。

 

 『精神科医が教えるストレスフリー超大全』でも結構触れられているのですが、樺沢さんは最近、心身の健康のための「睡眠」「運動」「朝散歩」を再三推奨されているのですが、言ってみればそういうコンディションを整えるためのノウハウだけで1冊とされたということのようです。

 

 特に冒頭で「睡眠」の重要性について、かなりの紙幅を割いて、結構キツめのトーンで強調されています。

 

 樺沢センセイはここで、7時間の睡眠がマストだと再三強調されていて、そのことが仕事のパフォーマンスを向上させるとともに、健康を維持する上でもかなり重要な要素となるようで、睡眠不足がもたらすかなり深刻な弊害を紹介されるとともに、さらに7時間の睡眠を充実したものにするための方法も紹介されています。

 

 次に「運動」の効用なのですが、定期的に運動をすることが、体力の維持ということもあるのですが、メンタル面での健康を維持する上でかなり大きな役割を果たすことになるようで、運動を全くしない人のうつの罹患率は定期的に運動をしている人より44%増加するとか、アルツハイマー型の認知症の発症確率が運動で1/3となるなど、衝撃的な内容となっています。

 

 さらにちょっと意外ですが、「運動」によって疲れを取るという一見逆説的なことも紹介されているのが興味を引きます。

 

 最後の「朝散歩」ですが、これがこの本のウリと言ってもいいかも知れませんが、「朝散歩」で体内時計をリセットすることがメンタル面での健康維持に重要なようで、樺沢センセイ自身、精神疾患の治療の一環として「朝散歩」を取り入れられていたということです。

 

 その他「食事」「生活習慣」「休息」などのコンディション向上の手法が紹介されているのですが、こういうコンディションの維持がパフォーマンスの向上や長期的な健康維持にとっていかに重要なのかということを痛いほど思い知らされてくれる一冊です。