長期政権のあと/山口二郎、佐藤優

 

長期政権のあと (祥伝社新書)

長期政権のあと (祥伝社新書)

 

 

 3日連続で「知の怪人」佐藤優さんの著書ですが、今日は珍しく日本の政治についての本です。

 

 かなり安倍政権にキビシめのスタンスを取る山口先生との共著で、この本が出版された7月には安倍政権の出口が見えてきたということで8年近くに渡った第二次安倍政権の総括をされるような内容となっています。

 

 安倍首相が退陣されるときに、結構業績を評価する報道があったので、個人的にはかなり意外に思えた(ワタクシも、結構アンチ安倍です…)のですが、この本では、長期政権の割にほとんどこれと言った業績が無いことを指摘されているのを見て、個人的に「そうでしょ!?」と深く同意したりしたのですが…

 

 この本では日本や世界における様々な長期政権の実例を挙げられて、その推移と「その後」を紹介されていますが、振り返られているのを見ると、なぜこんなに安倍政権がそれなりに評価されて長続きしたのか不思議な気が、改めてしてきます。

 

 それまでコロコロ政権が変わったのに辟易していたりとか、一番悪い状況でバトンを受け取ったので後は上がるしかなかったのがラッキーとか、いろいろあるかと思いますが、内容がスカスカの政権が長きに渡り政権を担ってしまったが故に、派手なパフォーマンス的な部分にばかり注力されたこともあり、かなり日本の社会がスカスカになってしまったなあ、とワタクシも感じていたのですが、状況はそれよりもずっと深刻なモノみたいです。

 

 一応、社交辞令で安倍政治の継承を掲げている菅政権ですが、日本人の美質でもある実直なモノを取り返してくれることを祈ってやみません。