3日連続で山中先生関連の本ですが、今日は将棋の羽生さんとの対談本です。
AIがタイトルにあるんですが、AIも含めてiPSの研究や将棋の対局を取り巻く状況について対談されています。
AIは将棋の世界にも医療の世界にもかなり大きな影響を及ぼしつつあるのは衆目の一致するところだとは思うのですが、特に将棋では、人間の棋士よりもかなり強くなっているとともに、人間同士の対局に向けた研究でもAIを活用する人が増えているということで、今やAIなくして将棋界は立ち行かないところはあるようです。
この本ではそういうAIそのものとの関係性もあるのですが、お二方の研究や対局における思考のプロセスみたいなものについて多く語られているのですが、羽生さんが”勘”に頼る部分が、実は少なくないとはおっしゃられているのですが、そういう”勘”の裏付けとしての、かつての対局の経験であったり、それに向けた研究だった李のプロセスが、実はAIのディープラーニングなどを含めた成果をもたらすための取組と極めて似通っていることを感じさせます。
それはiPS細胞の実用化に向けた研究にも共通する部分があるようで、そういう積み上げとAIによる”自動化”が相乗効果をもたらすことで、より早期の成果に繋がるのかも知れません。
ちょっと捉えどころのない部分もあるのですが、AI化と思考プロセスの相似について考えさせられる内容でした。