娘のトリセツ/黒川伊保子

 

娘のトリセツ(小学館新書)

娘のトリセツ(小学館新書)

 

 

 男性と女性の脳の思考の性差をテーマにした『妻のトリセツ』や『夫のトリセツ』が大ヒットを連発されている黒川さんですが、世のオトーサン方待望の一冊が出ました!

 

 ただ、この本は、これまでの黒川さんの著書のベースとなっている、思考癖の男女差はどっちかと言うと控えめで、ご自身の”娘”としての経験を踏まえて、お父さんとしてのあり方を語られるのが中心となっています。

 

 黒川さんのお父様は、かなりリベラルな考え方をお持ちだったようで、結構娘である黒川さんの意思を尊重されていたようなのですが、そんな中でお母様に突っかかった時にだけ、「この家はお母さんが幸せになる家だから、お母さんを泣かせるようなことは許さない」と厳しく怒られたということで、まずは奥さんを尊重することがお父さんの信頼につながると指摘されているのが、非常の興味深いところです。

 

 当然、娘さん自身を”個”として尊重するのも重要なんでしょうけど、やはりパートナーである奥さんを尊重することが、長い目でみて娘さん自身がそういう観点でパートナーを選ぶことになるということを含めて、娘さんの幸福につながりやすいという側面もあるのかも知れません。

 

 これまでの著書の軽妙な語り口とは異なり、ちょっとディープな趣のある書きっぷりなのですが、それだけに、150ページ余りと短めの本ですが、印象深い本です。

 

 世の娘を持つオトーサン方、是非一読の程を!