ノンフィクションライターの野地さんが長年に渡って紹介されている「サービスの達人たち」シリーズの第一弾で、元々の単行本は平成11年に出版されたようです。
高級車のセールスやウィスキーのブレンダーなど、今なお盛んな”サービス”についても紹介されているのですが、風呂屋でお客さんの背を流す”流し”や興行屋、靴磨きなど、どちらかというと今や珍しくなってしまったサービスを紹介される割合が多くなっています。
コロナ禍になるまでは、インバウンドに力を入れる中で”おもてなし”がもてはやされ、卓越したサービスもそれなりの評価を得るようになってきてはいましたが、カタチが残る工芸などの職人と比べると、どちらかというと軽く見られてしまう傾向があったように思えます。
ただ、真氏に練り上げられたサービスというのは、受ける人を感動させるチカラがあるものなのですが、そういうモノでも時代の流れと共に消えていきそうなモノがあり、そういうサービスへの惜別ともいえるような内容になっています。
今となっては最早、完全に過去のモノとなってしまったサービスもあるようですが、そういう古き良きサービスを自分の身近なモノから思い起こして、愛でていきたいと思い起させられました。