人生を豊かにしてくれる「お金」と「仕事」の育て方/松浦弥太郎

 

 

 昨日に引き続き松浦さんの本ですが、今日は「お金」と「仕事」についての本だということです。

 

 これまで紹介した松浦さんの本は、人生論的なモノをさりげなく語るエッセイ風のモノばかりだったので、どこか超然としたイメージを勝手に抱いていて、「お金」について語られるのはちょっと意外な気がしたのですが、読んでみて非常にナットクできました。

 

 フツー「お金」に関する本と言うと、如何にして稼ぐかということを意識せざるを得ない内容になることが多いですし、この本もそういう側面が無くはないのですが、どうも「お金」を殖やすこと自体が目的ではなくて、如何に充実した人生を送るのかということが主題となっているように思えます。

 

 そこでキーワードとなるのが「感動」ということで、「お金」についての本で「感動」がキーワードになるというのも意外なのですが、松浦さんは利益の本質が「感動」だとおっしゃっておられて、その人が稼げるお金というのが、「感動×人の数」という式で表せるとおっしゃいます。

 

 要は、著名タレントや一流のアスリートが巨万の富を得ることができることからもナットクできると思いますが、自分の仕事がどれだけの人を「感動」させているかによって収入が決まるというのは、なかなか斬新な考え方で、非常に目からウロコです。

 

 フツーのサラリーマンが感動もヘッタクレもあったもんじゃないと思われるかも知れませんが、自分が一生懸命に仕事したことに周囲の同僚が感動してくれることもあるでしょうし、商品やサービスを買ってくれたお客さんが感動してくれることもありますよね!?…それで多く売れたら、感動してくれる人が増えて、収入も増えるということですよね!?

 

 また、お金を使うことにおいても、自分が感動できるようなモノにお金を費やすことで、自分の肥やしとなり、それがまた自分が仕事で感動を提供することにつながるということで、お金を使うことも実は重要な要素だったということに改めて気づかされます。

 

 この本、各章末に松浦さんの自伝風の仕事遍歴を紹介されているのですが、これがまたオモシロいので、是非とも単行本にしてもらいたいくらいでした。