100年生きる私たちのマネープラン/横山光昭

 

お金と人生の計画帳 100年生きる私たちのマネープラン
 

 

 多重債務者など、かなりヘビーな経済状況にある方々の家計の立て直しを支援されて来られたことで知られる”家計再生コンサルタント”の横山さんによる老後のマネープランについての本です。

 

 ”家計再生コンサルタント”が老後のマネープランを語るなんて言うと、「失礼な!」と立腹される向きもあるかも知れませんが、実はある程度高額の退職金や年金が見込まれる人であっても、家計を破綻させてしまうケースというのは少なからず見受けられるようで、しかもそういう人の方が却って破綻の確率が上がってしまう傾向もみられるということで、ここは謙虚に耳を傾けた方がいいのかも知れません。

 

 全体におっしゃられていることを見ると、収入の見込みと支出の見込みを算出して、プラスマイナスの見える化を行った上で、マイナスになるポイントを見極めて、どのように対策をするかという、王道というか、それしか手が無いというか、そういうオーソドックスなアプローチを取られています。

 

 ただ、家計再生を専門とされているだけあって、かなりディフェンシブなアプローチを基本とされており、投資をするにしても投信などにとどめておいて、FXや不動産など、ある程度リスクの高い投資には否定的な見方をされています。

 

 やはり横山さんの本で見るべきは、支出を如何にしてスリムにするかというところで、リタイア後に破綻してしまう人の多くは、現役の頃の消費行動をそのままリタイア後も続けてしまうところにあるようで、収入減に合わせた支出減を、生活の充実度を落とさずに実現して行くかというところを指摘されています。

 

 こういうマネープランというのは、予め現役時代にプランニングをしておくことが重要なようで、子供の教育費など現役時代の大きな出費についても、リタイア後の収支状況を見据えた上で判断すべきだというところは、50歳代に突入して、今からムスメたちの大学進学を控えるワタクシにとっては喫緊の課題となってしまいそうです。

 

 とにかく早めにこういう大まかな見通しを立てることが重要だということで、ちゃんと家庭内でお話をしておきましょうね!