怖いくらい通じるカタカナ英語の法則/池谷裕二

 

 

 脳科学者の池谷先生が英語の本を書かれていると知って、早速手に取ってみました。

 

 脳科学者が書いた本だから、脳科学的な知見を踏まえて…というワケではなく、アメリカに留学した際に、発音がウマくできなくて全く自分の話す英語が通じないという体験を通じて、カタカナ発音の英語でも通じるように”発明”されたノウハウだということです。

 

 そもそも日本人は、英語の文章を単語ごとにカタカナにしてしまうので、ネイティブからすると何を言っているのか分からないだけで、英語にありがちなアクセントやリンケージを踏まえた発音を忠実に再現すれば、カタカナであってもちゃんと通じるというワケです。

 

 例えば、"Take it easy!"と言いたいときに、日本人は”テイク イット イージー”と言ってしまいますが、この発音だと英語の音節を完全に無視していて、余程日本人の英語になれた人以外には通じません。

 

 そこで、英語の音節やリンケージ(単語の前後の音のつながり)を踏まえた全体の発音を忠実に再現すると”テイキリーズィ”といった感じになり、これをこのまま日本人的なカタカナ発音をしてもちゃんと通じるワケです。

 

 そういった例文を多数紹介されていて、この本には発音の音源を掲載したWebサイトがあり、それぞれの文章を70回音読すれば、マスターでき、どんどん通じる英語を殖やしていけるということです。

 

 そういう風に色んな文章を積み上げていくと、次第に初見の文章でもちゃんと発音できるようになるはずで、特に田舎と言われるところで英語を話す必要がある人にはかなり有効な学習法だと思われます。

 

 ワタクシの著書ではあまり発音は重視していませんが、発音が必要になる場面と言うのは確かにあり、そういうシチュエーションを強いられる人にとってはかなり重宝する本だと思います。