なぜ日本人メジャーリーガーにはパ出身者が多いのか/お股ニキ

 

 

 本格的な野球の競技経験はほぼ皆無であるにも関わらず、ダルビッシュ有投手を始めとする現役メジャーリーガーが意見を求めるという”プロウト”お股キニさんが語る「パ・リーグ優位」論です。

 

 昨年の日本シリーズソフトバンク・ホークスが2年連続で読売ジャイアンツを4勝0敗で破ったことからパ・リーグセ・リーグの格差を語る意見がかまびすしいですが、そういう”優位”性が日本人メジャーリーガーにも顕著に表れているということで、この本が出版されたのは2020年のシーズン前で、その時点で広島カープ出身の前田健太投手を除けば、全員がパ・リーグ出身だったということを中心に、パ・リーグの優位性の原因を語られています。

 

 昨今の日本人メジャーリーガーのパ・リーグ出身者の優位性というのは、必ずしもパ・リーグが相対的にセ・リーグより強いからというのも無きにしも非ずのようで、あくまでもプレースタイル的にメジャーリーグに適性の高い選手が多いということを指摘されています。

 

 メジャーリーグの”フライボール革命”と言われる、飛距離を重視する打法が席巻するようになり、バッターだけではなくピッチャーにもパワー志向が強くなった近年、日本人メジャーリーガーでもパワー志向の強い選手が多く求められるようになっているということで、以前からどちらかというと入団時の技術的なモノよりも、体つきのしっかりした選手をじっくりと育て上げる傾向の強いパ・リーグの選手が、より適性があったという側面があるようです。

 

 ただ、そういう志向がパ・リーグセ・リーグの競技力の差として出てきているというのは否定しがたいようです。

 

 さらには、やはりDHのもたらす戦略の柔軟性というところから、監督の采配面や、チームの編成といった側面にまで効用をもたらしているようで、そういう細かい点の長年の積み重ねが、現在の・リーグとセ・リーグの競技力の差を顕著にしているようです。

 

 ただ、だからといってセ・リーグにDH制を導入すべきだと考えられているワケでもないようで、巨人の岡本選手のように複数のポジションを高レベルでこなす選手の育成で、編成面の柔軟性を確保しようという取組については評価されているようです。

 

 まあ、このままじゃ日本シリーズもオモシロくないので、是非ともセ・リーグにも奮起してもらいたいところではあるのですが…