納得させる話力/土田晃之

 

納得させる話力 (双葉文庫)

納得させる話力 (双葉文庫)

  • 作者:土田 晃之
  • 発売日: 2017/03/16
  • メディア: 文庫
 

 

 ワタクシの中ではサッカー関連のウンチクを語る芸人さんなんですが、この方、多分話術が巧みだろうなぁ、ということでこういう本を見かけたので手に取ってみました。

 

 タイトルでは「話力」ということになっていて、前半では「話力」を中心に語られているのですが、全体を通してみると「納得させる」という方に重点があるんだ、という意外な感じもする本です。

 

 この本自体、全体としてどういう経緯で募集したモノなのかはよくわからないのですが、「納得させる」ことができない人たちの悩み相談的なカタチになっておりまして、それに対して土田さんが答えるという形式ではあるのですが、質問者がかなり弱気というかネガティブな感じであるのに対して、土田さんが単なる偏屈というか、変わり者キャラを押し出せばOK!みたいな感じが全体のトーンなんで、絶対質問者の問題解決になってないだろうなあ、というのがミソです。(笑)

 

 でも、個人的には、アイツはあんな感じだから…みたいなのは、ナチュラルに自分が辿ってきた処世術的なところがあるので、かなり共感度は高いのですが、これってある程度の経験と開き直りが必要だと思われるので、いきなり社会人経験の浅い小僧がマネすると大ヤケドを負ってしまいそうですが、これをマネするだけの覚悟があれば、何でもOK!と思ってしまいます。

 

 この本は、以前紹介した有吉弘行さんの『嫌われない毒舌のすすめ』同様、お二人の事務所の先輩であるダチョウ倶楽部の上島竜平さんイジリが、これでもかというくらい紹介されていますが、後輩にこれだけイジられても飲みに誘う上島さんの器の大きさを改めて実感します。