しくじらない飲み方/斎藤章佳

 

 

 ケースワーカーとしてアルコール依存症を始めとする様々な依存症に関わってきた方が紹介されるアルコールとの付き合い方です。

 

 どちらかというとメインのタイトルよりも、副題である『酒に逃げずに生きるには』の方が、この本でおっしゃりたいことをよりよく表されているように思えます。

 

 アルコール依存症の治療では、よく「なぜ飲んだのか?」ということを聞かれるということなのですが、その問いに対する答えはおそらく「ない」んじゃないかということを指摘されていて、どちらかというと「なぜ飲む必要があったのか?」と問う方が本質的なのではないかと指摘されています。

 

 どっちも同じように聞こえるかもしれませんが、お酒を飲む時に多くの人は何らかのストレスを抱えていること多く、言ってみれば問題を先送りするためにお酒を飲んでいるという側面があるということで、結局そのお酒を飲ませることになった原因と向き合わなければ、依存症だということを認識したとしても自ら飲酒をやめることは困難だということです。

 

 しかも昨今ストロング系のチューハイという依存状態につながり易いモノが普及しており、依存を認識すれば、何らかのカタチで支援を求める必要があるということです。

 

 ”支援”というと”治療”と思ってしまいがちですが、それだけではなくお酒を止めるもしくは飲酒量を減らすといったサポートをしてくれる様々な組織があり、実際にそれをキッカケとして依存状態から脱却できた人も少なからずいるということです。

 

 ワタクシ自身も、依存状態なんじゃないかと思えるフシがあり、この本に掲載されている自己診断なんかも見てみたのですが、ビミョーに依存状態とまでは言えないというキワキワな感じで、ウマくコントロールしないとヤバいなぁ、と改めて認識した次第でした。