完全版社会人大学人見知り学部卒業見込/若林正恭

 

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)
 

 

 そんなに熱心にお笑いを追いかける方ではないんですが、オードリーの若林さんはかなり前からちょっと気になっていて、以前ワタクシが密かに支持していた南沢奈央との交際報道が出て、なお気になったのですが、著書を見かけたので手に取ってみました。

 

 自称「人見知り」ということなんですが、「人見知り」がお笑い芸人ってなんやねん!?ってワタクシも思いましたし、世間の多くの人がそう感じると思うのですが、周辺の方々からすると、自他ともに認める「人見知り」なんだそうで、そういうキャラでもお笑い芸人としてそれなりの成功を収めることがあるんだ…ということが、まず新鮮でした。

 

 かなり若い頃から、「人見知り」だったようで、その上、ご自身によるとかなり”トガッた”キャラだったようで、周囲、特に目上にあたる人々がが押しつけようとする同調圧力的な”常識”に「それって、おかしくないっすか!?」みたいな反応をして、イタイ目に合うという感じだったそうで、敢えて周囲に溶け込もうという努力をするタイプではなかったということです。

 

 で、この本は雑誌の連載で、徐々に「人見知り」を克服していく過程をご自身の執筆で追って行こうという趣旨だということですが、そういう不器用な部分をみるとずっと昔の自分自身を見ているようでヒリヒリした感覚を思い出します。

 

 売れていくにつれて次第に、周囲ともそれほどの軋轢やビミョーな空気を生むこともなく交流できるようになっていますが、本質的なところはあまり変わっていないように見える所に好感を覚えたりもします。

 

 とかく、器用に世の中を渡っていくことばかりがもてはやされるところがある昨今ですが、こういう風に深い思索を巡らしているというのも、また、ある意味貴重な存在なんじゃないかと思いますが…